村田沙耶香「コンビニ人間」読んでみた。
コンビニ店員でしか生きられなく、普通の感情の多くが欠落している「古倉さん」と現実逃避し続ける他者攻撃型ニートの「白羽」の二人を主軸に描かれた作品です。
「古倉さん」は普通の人生をマニュアル化して生きる事には欲求を感じていないが、コンビニという無機質でシンプルで合理的な世界で働くことに欲求を感じている変わった女性です。
「白羽」は自分を苦しめる社会の倫理で他社を攻撃する心の弱い人間です。
この本は「個」を本来それほど必要とされないコンビニ店員という職業で圧倒的に輝いている「古倉さん」の価値観に惹かれる作品です。
古倉さん「だから、難しいなら無理することないんです。白羽さんと違って、私はいろんなことがどうでもいいんです。特に自分の意思がないので、ムラの方針があるならそれに従うのも平気だというだけなので」
彼女はこのように、常にニュートラルな感性で物事を選択しており、まるでコンビニの経営システムのような合理的な目で物事をとらえています。
まったくの別次元の世界で生きている彼女と、ただ普通に生きている人々の温度差に不思議な魅力を感じさせられる作品です。
最後に...
コンビニのように必要不可欠であるが、社会の歯車の1つように代わりが効くような人間には成りたくないと大多数は思うが、私は古倉さんのように自分の存在意義は完璧なコンビニ店員であり、完璧なコンビニには欠かせない部品である。という姿勢には見習うところが多いと感じました。
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中村信仁「営業の魔法」読んでみた。
高額な空気清浄機が売れない青年が淀んだ空気の喫茶店で毎日さぼっています。
そんなある日、偶然来店してきた営業とお客様との会話に魅了され、勇気をもって「僕に営業を教えて下さい!」と突然声をかけ「紙谷」という最強の営業マンと出会います。
本書は営業のテクニックを「12個の魔法」と称し、主人公「小笠原」と師匠「紙谷」の12日間にわたる師弟関係を物語調にまとめられている本です。
本書で紹介されている具体的な営業テクニック7選
1.応酬話法
2.二者択一話法
3.イエス・バット話法
4.質問話法
5.類推話法
6.推定承諾話法
7.肯定暗示話法
「まとめ」
この本は繰り返し読んでこそ効果が出ると感じたので、この記事は気づきや感想を徐々に更新していき、参考書のように生かしていきたいと思います。
オーディオブックにも対応。
財政破綻した街「夕張」廃墟探索に行ってみた...
「旧北炭清水沢火力発電所」
夕張といえば夕張メロン/炭鉱跡地/財政破綻/鈴木知事など思い浮かびますが、今回は「火力発電所」に着目して探索をしてきました。
いかがですか?写真を見るだけで中がどうなっているかドキドキしますよね...
この建物は1926年に完成した北炭の自家発電所です。(炭鉱開発への電力供給などで活躍)のち1992年に周辺鉱山の閉山により廃止されました。
中には「測定器」や「送電機器」などの専門的な機械が残っていました。写真右側に見える白い機械は高圧な電流を通さない為に天然の大理石でできているそうです。
このように時代を感じさせてくれる遺物も見学できました。
「大正14年製造で25tの重りを持ち上げる機械」めちゃめちゃカッコいいですよね。
ガランとしていてニュートラルな雰囲気を醸し出しております。コンクリートとコケが見事に共存しております。時の経過により自然と同化が進んでいるところがなんとも言えなく、名残惜しい立ち位置です。
ノスタルジィーですね...
「入るべからず」って当時の所長絶対怖い人だったんじゃないかとか想像力膨らんじゃいますね。戦前の建造物というのもあって、手書きの文字を見ると何故か興奮します。
コンクリートの躯体に金属のサッシにガラスが固定されています。
今から90年以上前はコーキングがなかったのでモルタルで固定されていました。
雨風地震があっても割れないで残っているのはきっと不可思議な力が働いているからなのかもしれませんね...
個人的にツボだったんですが、コンセントが外れているのに、プロペラがめちゃめちゃ高速回転してました。
「探索結果報告」
写真を見てお気づきかもしれませんが、この建物”廃墟では在りません”でした。
現在は産廃処理会社「東亜建材工業株式会社」の作業場として利用されており解体を延期している有人の建物になります。「見学許可必須」
今回の探索は「一般社団法人清水沢プロジェクト」さんに現地を案内して頂きました。建物の歴史、地域との関わりなど詳しく教えて頂いて、あっという間に楽しい時間が過ぎてしまいました。
私は今まで、歴史や文化遺産などには一切興味がなかったのですが、「ただ廃墟が好き」という気持ちだけでここを訪れました。
結果、現地の空気や独特な雰囲気に魅了されてもっと色々な地域を探検したいという気持ちが生まれたのが一番の収穫です。
これからはカテゴリーの1つとして「廃墟探索」をキーワードにブログを書いていこうと思います。
バイ👍
スペンサー・ジョンソン「チーズはどこへ消えた!?」読んでみた。
2匹のネズミと2人の小人が美味しいチーズを求めて迷宮を探索します。
道中の心情や行動のリアルな変化を物語にしている本です。
本書は今から20年も前に初版された本ですが、読み終わった時には何かしら成功を成し遂げている人の考え方は20年も前から変わっていないのだと気づきがありました。
感想としては、「自己啓発系の本は極論この一冊で補える」です。
当たり前のように存在するチーズの山がある日急になくなった時、ネズミと小人、個性が異なる4つの考え方のどれに自分が当てはまるかをイメージしながら読むと今現状の打開策がリアルに見えてきます。
私は作中に出てくる「もし恐怖がなかったら何をするだろう?」という小人の疑問が一番心に刺さりました。
何故かというと、今まで無限に続くであろうと思っていた(心のどこかでは有限である事に気づいていた)環境が急に0になった時、何故、失う前に新しい道を探しに行かなかったのだろう。と必ず後悔すると思ったからです。
それと、、、
「現状が悪転し立ち止まっているだけで何もしない。好転を待っているだけ」の状態を振り返ると、そこは「ただの生きていけるだけの場所」であって、状況の変化変えていくことに「単純にビビっていた」のだと気づくのだろうと未来的に想像できたからです。
まとめ
- もしも恐怖という概念がなかったら人の成長はもっと加速していく。
- 大なり小なり「恐怖」をマインドで克服できれば視野を広く持てる。
- ただの意識高い系男子にはなりたくない。
バイ👍
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巨大望遠鏡で人工衛星を見た日
北海道陸別町銀河の森天文台
帯広からだと約100km程度の距離、車で1時間半くらい。
写真じゃ伝わらないのが悔しいですが、物凄く速いんです。
望遠鏡では早すぎて追いつけないようで、消えるまで肉眼で数分堪能しました。
ロバート・キヨサキ「金持ちお父さん貧乏お父さん」読んでみた。
本書を読み印象に残った言葉
「まともなことだけをやり、決して起こることのない人生の一大イベントの為に
一生エネルギーを蓄え続ける。そして最後には退屈しきった老人になって死ぬ。」
「行動を起こすときにやるやるタイミングを待っている人は5マイル先の信号すべてが青になるまでドライブに行かないことと同じ。」
本書は社会主義と資本主義の2人の父親から教育を受けた少年が大人になるにつれ、
お金の哲学を紐解いていく内容でした。
~資本主義の考え方6つを考察~
1つ.人生から教訓を学んで先に進む人は少ない。逆に試練につつかれて喜んでいる。
JIN~仁「神は乗り越えられる試練しか与えない」にもあるように、これは試練だ!とまずは受け入れ、どうすれば乗り越えられるか頭で考えることが大切。
試練という荒波にただ身を任せていることはただの「気持ちよがっているM。」
2つ.恐怖をなくそうとしてお金を貯めるが、恐怖がまえより大きくなっている。
消費支出は収入に比例して大きくなっていくことから、固定給を上げても生活水準が比例して上がるだけであって、お金が無くなる恐怖も比例して大きくなっていくという考え方。
3つ・自分の行動や思考を支配しているのは感情だと気づいていない。
自問自答して感情的な思考を断ち切って、はっきりした頭で物事を考えることが大切。
感情と行動を引き離すのは簡単だが、感情と思考を切り離すのは難しい。
4つ・たいていの人はお金と安全な道を求めているからチャンスが目に入らない。
「高い給料を貰い安定した生活水準を手に入れたいから大手企業に就職するんだ」
という考え方ではなく、お金に対して執着を持たなくてよい生活を目指せば、より多くの「きっかけ」に巡りあう機会が増えるということ。
5つ・金持ちになりたいなら資産を買うことに一生を捧げればいい。
「稼ぐ→負債を買う→税金を払う」⇒「稼ぐ→資産を買う→税金を払う」に変える。
6つ・キャッシュフローを意識する。
損益計算書と貸借対照表(バランスシート)を作り資産形成をしていくことが効率よく最短ルートである。
~今後使える定義、理論~
「バックミンスター・フラーの定義」
富=今日仕事を辞めたとして、あと何日生きていけるかを表したもの。財産の基盤を整えて様々な支払いを済ませ収入を生み出す資産に回し、そこから十分な収入を得られるようにならない限り、給料は経済的安定に役立たないという考え。
「ロビンフット」経済論
金持ちから税金を取って下級国民に分け与えるという公約により大衆から支持を得た。しかし、税収精度を実行したのち中流階級以下の国民からも少しずつ税収すできるような仕組みを作った人の話。
新約聖書より「汝与えよ。さすれば与えられん」
従業員に自分のビジネスを考えろとアドバイスするのは、自分のビジネスに影響が出るのではないかという考えかたではなく、従業員が豊かになることにより自分も豊かになる方法を模索することが必要なのではという考え。
ファイナンシャル・レジデンス
お金に関する問題を解決する際に、どれくらい想像力を発揮できるか、何が起ころうとそれを掴んでチャンスに変える能力。会計力、投資力、市場の理解力、法律力が必要。
感想まとめ
「恐怖心と自信のなさは個人の才能の開花を邪魔する最大の要因」であることから、常にマインドを高く持ち一瞬のチャンスをつかみ取れるように頭を使えるようにセットしていくことが重要であり、「お金を稼いで使う」という考え方ではなく「お金に稼いで貰って余ったお金を使う」という発想を持ち、キャッシュフローを作成して人生設計を立てていくと良い。まず最初に意識することは資産になるものを優先的に買うことである。